百貨店「友の会」が人気…マイナス金利の影響?

積み立て金以上の「買い物券」

 百貨店各社で「友の会」と呼ばれる顧客向けの優遇サービスの人気が高まっている。

毎月一定の金額を積み立てると、1年後に積み立てた金額以上の「買い物券」をもらえる仕組みだ。日本銀行のマイナス金利政策で預金金利が下がる中、「お得感」が増しているためとみられる。

各社ごとに仕組みは異なるが、毎月一定額を積み立てると、1年後に支払った12か月分に1か月分加えた13か月分の買い物券がもらえる場合が多い。例え ば、毎月1万円を積み立てると1年後に13万円分の買い物券がもらえるといった具合だ。この場合、12万円の「投資」に対する利回りは年約8%になる。買 い物券は発行した百貨店でしか使えないという制限があるものの、価格に敏感な女性客を中心に利用が伸びている。

小田急百貨店(東京都新宿区)では、女性客限定の友の会への2月の新規入会の口数が前年に比べ約2倍に増えている。大丸松坂屋百貨店は積立額が5千円から3万円コースまでの5コースがあり、2月の新規入会は前年の約2倍というハイペースだ。

各社はもともと、2017年4月に予定される消費税率引き上げ前の駆け込み需要をにらみ、今年3月から友の会のPRを強化する構えだった。日銀がマイナ ス金利を導入したことで、思わぬ特需が舞い込んだ形だ。日本百貨店協会の井出陽一郎専務理事は、「百貨店をあまり利用しない若者や男性客にも認知が広がれ ば、売上高を押し上げる効果が見込める」と期待する。

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