百貨店大手3社、4月の下げ幅は10%程度 消費増税の影響は想定下回る

 百貨店大手3社が1日に発表した4月の売上高速報は、消費税増税前の駆け込み需要の反動減でそろって前年実績を割り込んだが、減少幅は予想を下回った。特に4月後半には減少幅が小さくなっている。
 大手3社の売上高は三越伊勢丹が前年同月比7・9%減、J・フロントリテイリングが15・3%減、高島屋が13・6%減だった。各社とも3月の売上高は駆け込み需要の影響で3割程度の伸びを記録。前回増税時の平成9年3月の全国百貨店売上高の23%増を大きく上回ったことから、反動減も「20%程度の影響」(高島屋)を懸念する声もあがったが、想定を下回る落ち込みに留まった。
 駆け込み需要が大きかった高級ブランドや高級時計を中心に反動減が顕著な一方、反動減対策としてJ・フロントや高島屋が4月中旬からセールを開催した婦人衣料品などは月末にかけて持ち直しの傾向が出た。
 各社は「節約志向が高まっているとは見受けられない」(三越伊勢丹)など、増税後も消費意欲の大幅な減退はないと分析。5、6月は反動減が続くとみる向きが大半だが、企業業績の改善で大手の一時金が増加するとの期待感から「施策も打つ前提で、夏ごろにはプラスに転じられれば」(J・フロント)と話す。
 一方、増加する訪日外国人も都心店を中心に反動減の緩和に貢献。売上高に占める免税売上高の割合が初めて1割を超えた銀座三越(東京都中央区)は、4月の売上高が1・1%増だった。

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