村上春樹の世界的ベストセラーを映画化した「ノルウェイの森」の、キスシーンのみで構成されるテレビスポットCMが話題となっている。
同作は、喪失感を抱える若者たちを繊細なタッチで描き、国内発行総累計部数1000万部を突破した大ベストセラーの映画化。松山ケンイチと菊地凛子を主演に迎え、「青いパパイヤの香り」「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」のトラン・アン・ユン監督がメガホンをとった。主人公ワタナベ(松山)が亡き親友の元恋人・直子(菊地)との恋愛と別れを通し、人生の岐路に立つ姿を描く。
放送中のCMには、松山演じる主人公ワタナベと今回映画初出演となった水原希子演じる緑のキスシーンの長回しカットのみが使用されている。通常のテレビスポットは、劇中の印象的なカットを複数使用して構成されるが、試写会アンケートで「キスしたくなる映画」という意見と、同シーンを印象的なシーンに挙げる人が多かったため、大胆にもキスシーンのみのスポットが完成した。
「日本ではこんな映画CMを思いつくのか?」と驚くユン監督だが、「希子は皆さんが想像できないくらい勇敢な人です。緑の家のセットでの撮影中、希子は連日泣いていたのです。でも結果的に、希子の頑張りとケンイチのリードで、爽やかだけど重厚で、軽くて内気な、そして誠実かつ慎重な、今まで私が撮影したなかで最も複雑なキスシーンを撮ることができました」と仕上がりに満足げだ。
「ノルウェイの森」は、12月11日から全国で公開。