相馬野馬追、来年から5月末開催 猛暑回避で2カ月前倒し

福島県相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」の日程変更を話し合う検討会が27日、福島県南相馬市役所であり、来年から「5月の最終土-月曜日の3日間」にすることで合意した。文化庁との協議を経て、正式決定する。

 野馬追は長年、7月末に行われてきた。近年の猛暑で参加する騎馬武者や馬、観客への負担が大きくなり、開催時期を2カ月前倒しする方針が固まった。

文化庁と協議、決定へ

 検討会には門馬和夫南相馬市長や立谷秀清相馬市長、騎馬会代表らが出席し、非公開で行われた。検討会終了後、門馬市長は「新日程案は猛暑の時期を避けた。5月は最善の選択」と説明。立谷市長は「馬の確保などで難しい課題が出てくるかもしれないが、関係者の理解を得て伝統行事を存続させたい」と話した。

 今年は7月29~31日に開かれ361騎の騎馬武者が出場したが、人馬に熱中症の被害が出た。南相馬市が昨年末に行った騎馬武者へのアンケートでは、5月開催を求める意見が最も多かった。

 約千年の伝統があるとされる野馬追は、民謡「相馬流れ山」の歌詞にある「五月中(なか)の申(さる)(現在の6月下旬~7月上旬)」に行われてきた。明治以降、梅雨を避けて次第に繰り下がり、1966年に7月23~25日、2011年には7月最終土-月曜日に変わった。

 野馬追は国の重要無形民俗文化財に指定されているため、日程変更には文化庁の了解が必要になる。

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