省エネ住宅の新築やリフォームが対象の「省エネ住宅ポイント」の申請受け付けが今月、始まった。過去2回の住宅エコポイントに比べ、今回から小規模改修が対象となり、東北のリフォーム業界には消費拡大への期待が広がる。
従来の制度では、リフォームでポイントをもらうには「窓の断熱改修」「外壁や屋根、天井などの断熱改修」のどちらかの工事が必要だった。今回は節水型トイレや高断熱浴槽など五つの「設備エコ改修」のうち三つを実施すれば対象となり、比較的手軽な工事で利用できる。
住宅設備大手リクシル(東京)は、制度や対象商品のパンフレットを作製。制度の利用者を対象に、抽選で国内旅行や家電が当たるキャンペーンを展開する。東北支社は「リクシルの商品を扱う取引業者からの問い合わせや見積件数が増えている」と手応えを語る。
仙台市青葉区のパナソニックのショールームでは、対象商品を知らせるポップ(広告)を使って消費者に紹介。スタッフは「制度があることで、キッチン改修だけを考えている人に、トイレやお風呂の改修を提案しやすい」と話す。
過去2回の住宅エコポイントでは、全国の計約188万戸に約3429億円分が発行された。ポイントの還元率が高い窓の改修に人気が集中し、一定のリフォーム需要を生んだのに比べると「今回は盛り上がりに欠ける」との指摘もある。
岩手、宮城、山形3県でリフォームを手掛ける東北カナメ(仙台市)はチラシなどで呼び掛けるが、反応はいまひとつ。東日本大震災の復興に伴う特需や消費税 増税前の駆け込み需要でリフォーム済みの人も多い。担当者は「認知度がまだ低い。需要が伸びる春先にかけて期待したい」と話す。
[省エネ住宅ポイ ント]エコ住宅の新築に1戸当たり30万ポイント(1ポイント1円相当)を与える国の制度。窓や外壁の断熱化、設備エコ改修といったリフォームは30万ポ イントを上限とし、耐震改修工事を施すと15万ポイントが追加される。施工契約が昨年12月27日以降で、来年3月までの着工が条件。ポイントは東日本大 震災の被災地の農林水産物や全国で使える商品券などに交換できる。