相続税などの基準となる土地の価格、路線価が3日公表され、宮城県内の調査地点は全体の平均で去年より4.4%上昇し、新型コロナの影響が和らいだことなどから上昇率は拡大しました。
路線価は国税庁が主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額を毎年1月1日時点で算定したもので、相続税や贈与税を計算する基準になります。
ことしの結果が公表され、宮城県内では対象となった5934地点の全体の平均で去年より4.4%上昇しました。
これは新型コロナの影響が和らぎ、商業活動が活発になったことなどが土地の需要を押し上げたためで、上昇は11年連続、上昇率は去年より1.5ポイント拡大し、北海道、福岡に次いで全国で3番目に高くなりました。
県内の最高額は仙台市青葉区中央1丁目の「青葉通り」の347万円で去年より2.4%上昇しました。
この地点は昭和32年以降、67年連続で東北で最も高くなっています。
また、県内に10ある税務署の最高路線価のうち、上昇率が最も高かったのは仙台市太白区あすと長町1丁目の「あすと長町大通り」で15.6%上昇した37万円でした。
大型の商業施設が相次いで進出し、マンションなどの住宅需要が好調な状態が続いています。
また、仙台市青葉区本町2丁目の「広瀬通り」はオフィス需要の持ち直しなどから4.5%上昇した210万円でした。
調査にあたった不動産鑑定士の遠藤公正さんは「宮城県全体の価格上昇を仙台市が引っ張っている。今は金利が低く抑えられていることから不動産を買いやすい状況で地価の上昇はしばらく続くのではないか」と話しています。