宮城県塩釜市の乾ノリ集出荷場で21日、全国のノリ産地に先駆け、今シーズン初となる県産の乾ノリ「みちのく寒流のり」の入札会が開かれた。
東日本大震災で生産地に津波被害があり、出品されたノリは例年の1割の約340万枚だが、各地から仲買業者が集まり、ノリの色つやや手触り、味を確かめていた。
県漁協によると、乾ノリは県内17カ所の浜で生産していたが、生産者が死亡したり、養殖資材や作業船が流されたりするなどの被害が出たため、今回出荷できたのは7カ所だけ。
入札会で東北地区海苔問屋協同組合連合会の立谷一郎会長は「生産者は今までの5倍、10倍の努力をして作ったと思う。東北を支える『復興のり』として全国の皆さんに買ってもらいたい」とあいさつした。
この日の平均落札価格は100枚1517円で、昨年より約500円高くなった。
福岡県の乾物会社で仕入れを担当している男性(38)は「例年に比べ色つやがいい。東北産のノリが少ないと相場も高くなってしまうので、早く復旧してほしい」と話した。
県の乾ノリ生産量は震災前、年間約7億枚で、全国第5位だった。