着物をアロハに 被災地で古着リメーク

東日本大震災の被災地支援として中古着物をリメークしたアロハシャツ「サムライアロハ」を製造販売する古物商の仙台買取(かいとり)館(仙台市太白区)が、事業拡大に乗り出す。待機児童が増える被災地で、主婦が自宅で働きながら子育てできる機会を広げようと、インターネットのクラウドファンディング(CF)による出資募集を始めた。
同社は昨年11月にサムライアロハのネット通販を始めた。製造工程はまず、岩沼市など宮城県沿岸部の主婦らが中古着物の縫い目をほどいて裁断。震災と東京電力福島第1原発事故の影響を受けた南相馬市の縫製業「三恵クレア」がシャツに仕立てる。価格は1着1万~2万円台。
中古着物の裁断は、保育所などに入れない子どもを抱える主婦が自宅で作業できるのが特徴。タンスに眠る着物の有効活用が被災者や被災企業の支援とともに、主婦の仕事と育児の両立につながる復興ビジネスのモデルとして評価され、復興庁や日本商工会議所のビジネスコンテストでそれぞれ優秀賞を受賞した。
仙台買取館の桜井鉄矢社長(36)は「被災地は待機児童問題が深刻だ。主婦の技術を生かしながら、将来は海外販売を目指し、事業を拡大したい」と話す。
目標金額は50万円。販路拡大などに充てる。8月30日までCF運営サイト「キャンプファイヤー」で1万5000円以上で受け付け、出資者にはサムライアロハを贈る。

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