約24時間周期の体内時計をつかさどる脳の中枢が正常に機能していても、脳の別の部分で神経伝達物質「セロトニン」が不足すると、睡眠と目覚めのリズムが崩れることがラットの実験で分かった。理化学研究所や米ペンシルベニア大などの研究チームが17日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。
セロトニンは不足するとうつ病の一因となり、統合失調症にも複雑に影響すると考えられている。
今回、睡眠と目覚めのリズムを直接制御する機能がラットで判明したのは、目の奥に位置する「前脳基底部視索前野」。ヒトで同様の役割が確認されれば、睡眠障害患者で局所的にセロトニンの量を調節する新治療法を開発する手掛かりになると期待される。