東松島市は、三陸自動車道矢本パーキングエリア(PA)の活用を図る整備構想をまとめた。観光や物産の情報発信と、東日本大震災を踏まえた防災拠点の機能を併せ持つ施設と位置付け、官民連携で整備・運営する仕組みを検討していく。
現在の矢本PAは無料休憩施設で、トイレやベンチなどを備える。構想によると、隣接地を含め約1万平方メートルの敷地に観光物産交流センターと地元の食材を生かすレストランなどを建設。レクリエーション空間として、バーベキュー広場や散策路・展望台を設ける。
付近の市道から乗り入れる道路と駐車場を整備。高速道路通行車両以外も利用できる「道の駅」としての役割も見込む。敷地内に太陽光・小型風力発電などの設備を整え、消費電力の一部を賄う考えだ。
災害発生時は、市道からの乗り入れ道路が三陸道から内陸部に向かう避難道となる。PAへの電力供給が断絶した状況でもバーベキュー広場で炊事が可能で、一時的な避難生活に対応する。
市は昨年度、国土交通省の補助金で構想の実現可能性を調査。民間活力を生かし、市が事業者に運営を委託するなどの「公設民営方式」が有力との結果が示された。
市はさらに事業化を調査するため、市議会12月定例会に関連予算案を提出する方針。市商工観光課の担当者は「物産販売などの面で、観光客が市内に立ち寄らなくなるといった懸念もある。PAと地元商業者の兼ね合いについても検討したい」と話した。