知らぬ間に履歴提供…ヤフー・Tポイント相互に

 読んだ本やコンビニでの買い物、ドラッグストアで購入した医薬品、閲覧したサイト――。
 4900万人が利用する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)のポイントサービス「Tポイント」と、会員2800万人のヤフーが、会員のこうした履歴を相互に提供できるよう規約を変更したことが波紋を広げている。
 専門家は「利用者には丁寧な説明を」と指摘している。
 「全然聞かされていなかった。毎日のようにコンビニでの買い物に使っているが、そんな情報が譲り渡されるなんて不安だ」。大阪市の女性会社員(35)は知人のツイッターで履歴の相互提供を知り、両社への不信感をあらわにする。
 女性は今年4月、Tポイントのインターネットサービスへログインするのにヤフーの会員IDが必要になるとの通知を受け、会員IDを統合した。しかし、IDを統合した会員の履歴が相互提供されることを知り、6月半ばに拒否する手続きを取った。
 行動記録を分析し、細かい好みを把握して効果的な広告に結びつけようと、ヤフーとCCCは6月上旬、会員情報を相互に提供し合えるように規約を変更した。
 新たな規約では、CCCは、レンタルDVDや入った喫茶店、購入した医薬品、泊まったホテル、買った本といった全国7万4000店舗で収集した生活履歴をヤフーに渡すのが可能になる。一方、ヤフーは、ヤフーメールやオークションなど関連サイト内の会員の閲覧記録をCCCに提供できる。実施時期は両社とも「未定」としている。

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