神戸を代表する観光地の一つ、北野異人館街(神戸市中央区北野町)の山手八番館にある「サターンの椅子(いす)」が「座ると願いがかなう」と話題になり、連日、行列ができる人気となっている。休日には3時間待ちの日もあり、館は「人気が長続きしてほしい」と期待を寄せる。
椅子は1階部屋の出入口をはさんで2脚ある。悪魔の彫刻が施されているが悪魔サタンとは関係なく、ローマ神話の豊穣(ほうじよう)の神「サトゥルヌス」の英語名「サターン」が名の由来。「座って願い事をすれば、『実り』かなう」と言われ、約20年前からひっそりと置かれてきた。
地味な椅子が一躍脚光を浴びたのが、5月のテレビ番組。訪れた女性の願いがかなった-との放送後、客が殺到するようになった。9割が女性という。埼玉県三郷市から娘と一緒に来た加藤光子さん(54)は「何を願ったかは秘密」と目をつむり、真剣な表情で願いをかけていた。