石巻に国営祈念公園を 追悼と教訓、後世へ 宮城県が方針

 宮城県は14日、東日本大震災の犠牲者の追悼と鎮魂の場となる「国営祈念公園」を石巻市に整備するよう国に求めていく方針を固めた。祈念公園を中核に、県内の被災15市町がそれぞれ検討する鎮魂施設などとの連携や一体化を進める。追悼と震災の教訓を次世代へ継承していく。
 祈念公園の整備は、政府の復興構想会議が昨年6月に提言した。国土交通省は1月に検討会議を設置し、候補地や規模の協議を進めている。
 石巻市への整備は、同市の犠牲者と行方不明者が約4000人に上り、最大の被災自治体だったことや、地理的に被災した県内沿岸部の中間に位置することを考慮した。
 県は現在、被災15市町がそれぞれの復興計画で打ち出す防災研究や震災記録、鎮魂などを目的とした各種施設を連携させる「みやぎメモリアルネットワークパーク」(仮称)構想を検討中。国営祈念公園はその象徴に位置付けたい考え。
 祈念公園整備と合わせ、震災津波博物館など複合拠点施設の設置も要望する。津波浸水地域のうち復旧困難な一定エリアを国が買い上げ、公園の一部として整備することも求める。県は来年度予算の概算要求に合わせ、国に働き掛ける方針。祈念公園の設置は岩手県も陸前高田市に整備するよう国に要望している。

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