石巻に大型客船の夏到来!「ダイヤモンド・プリンセス」など続々来港 観光復興の弾みに

宮城県石巻市の石巻港に「大型客船の夏」が到来する。豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(定員約2700人、11万5875トン)=英国船籍=が28日に初寄港するのを皮切りに、9月までに他船を含む3隻が計5回来港。市は東日本大震災からの観光復興に向け、受け皿づくりに力を入れる。

ダイヤモンド・プリンセスは9月5日、同18日と合わせ計3回寄港する。今月28日の乗船客は日本人が7割なのに対し、9月の2回は外国人が8割を占める。
いずれも前日に横浜港を出港し、石巻港には翌日午前9時半ごろに到着する。市は同港で歓迎イベントを企画。鏡開きをして地酒を振る舞ったり、記念品を配ったりする。
8月9日には過去最大となるクルーズ船「MSCスプレンディダ」(定員3247人、13万7936トン)=パナマ船籍=が来港。9月29日は「にっぽん丸」(同524人、2万2472トン)が入港する。
市は訪日外国人旅行者(インバウンド)の拡大へ態勢づくりを進める。ダイヤモンド・プリセンス寄港の際は、スマートフォンから手軽にインターネットを利用できるSIMカードを横浜港で無料配布する。石巻港には公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を設置。多言語表記の看板を設け、外国人対応の職員を配置する。
課題は乗船客のつなぎ留めだ。現状では半数以上が寄港後、石巻以外の観光地に向かう。大型客船の場合、約半数が夕方まで松島や平泉(岩手県)などを訪問。あとの半数は石巻市内の観光拠点「いしのまき元気いちば」で買い物をする程度という。
市河川港湾室の遠藤一成室長は「リピーターの獲得を見据え、どう石巻の観光を乗船客にPRしていくかが課題になる」と話す。
受け入れ態勢の充実に向け、市は今月5日、ダイヤモンド・プリンセスを運航する「プリンセス・クルーズ」(米国)日本事務所の猪股富士雄営業部長による講演会を企画した。
猪股氏は寄港地に求めることとしてバスの安全な導線やトイレの確保、にぎわいを提示。「インフラとにぎわいがうまく融合すれば素晴らしい寄港地になる」と環境整備を促した。

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