東日本大震災からの復興の一環として、1964年東京五輪の聖火台移転誘致などを目指している宮城県石巻市の亀山紘市長らが10日、東京・国立競技場で、2020年東京五輪・パラリンピック組織委会長の森喜朗元首相に「要望書」を手渡した。
石巻市では、7月に解体される国立競技場にある聖火台の移転と、20年五輪の聖火リレー出発点誘致に向け、2月に誘致委員会が発足、活動している。要望書を受け取った森元首相は「聖火リレーに関しては僕の所管だから、(実現の)可能性はある」と笑顔で応じた。
誘致委員長で石巻商工会議所会頭の浅野亨氏は、要望書を手渡した後、競技場を上り、聖火台を間近で“視察”。「今日は80点。東京中が『石巻頑張れ』と言っているようでした」と夢への第一歩に手応えをつかんだ様子だった。
誘致委は、5月中に五輪組織委理事で陸上ハンマー投げ五輪金メダリストの室伏広治と市民で聖火台を磨いたり、6月に市内で子供たちがトーチリレーを行うなどして、活動の輪を広げていくつもりだ。