石巻の病院に再生ピアノ シンディ・ローパーさんが寄贈

 米国の人気歌手シンディ・ローパーさんが石巻市の「サルコヤ楽器店」で東日本大震災の津波に遭いながら修復されたグランドピアノを購入し、被災して移転する宮城県石巻市立病院に贈った。仲立ちした楽器店の井上晃雄社長(83)が3日、市役所で亀山紘市長に目録を手渡した。
 楽器店は震災でピアノ30台が水に漬かった。神奈川県の工場に超音波で塩分を取り除く作業を依頼するなどして、これまで6台を修理した。
 シンディさんは昨年3月に石巻市を訪問。再生されたピアノも見学して感銘を受け、寄贈を前提に購入を決めた。井上社長が市立病院に贈ることを提案し、シンディさん側が了承した。
 市立病院は震災前、1階ロビーにグランドピアノを置いていた。コンサートを開くなど患者のケアに活用していたが、津波で流失した。寄贈されたピアノはJR石巻駅前に再建される新病院の開院に合わせ、2016年夏に引き渡される。
 井上社長は「再生したピアノと同じように、患者さんの回復につながってほしい」と話した。亀山市長は「復興に向かう市民に気持ちが伝わると思う」と感謝した。

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