東日本大震災からの復興のシンボルとして石巻市が栽培する「北限のオリーブ」が収穫された。9、10の両日に津波で被災した半島沿岸部の4地区で計約520キロの実を摘み取り、北上地区の加工施設で搾油した。今後、市場調査を重ねてオリーブオイルの商品化を目指す。
収穫作業は網地島と雄勝、北上、河北各地区の農地計6カ所であった。北上地区の原圃場では10日午前、栽培管理を担う農事組合法人「みのり」の従業員や市職員ら約40人が参加。「ミッション」を中心に4種類のオリーブを、約900本の木からつまみ取った。
みのりの千葉昭悦代表理事(71)は「熟すのが早かった点が少し残念だが、実は大きい。良い品質のオイルを作りたい」と話した。
北限のオリーブは、市が2014年に実証栽培を開始。これまでに4地区で計1665本が植樹された。昨年は計105キロの実を収穫し、初めて加工施設でオイル約2リットルを搾油した。