宮城県石巻市の石巻専修大の学生たちが市内の企業と連携し、サバのあらをスープに生かした「石巻・飯野川サバだしラーメン」の家庭向け商品を開発した。9月2日に発売予定で、学生らは「東日本大震災で被災した石巻の経済復興につなげたい」と意気込んでいる。
スープは塩ベースであっさり風味。だしは、水産加工会社が生産工程で排出されるサバの頭部など、あらからエキスを抽出した。
麺は市内の農事組合法人が栽培した小麦「ゆきちから」を使い、地元の製麺会社が開発した。生麺タイプで、サバ骨の粉末を練り込んだ。
完成発表会と試食会が6日、石巻専大であり、出席者からは「サバの臭みがなくて食べやすい」「麺にこしがある」などと好評だった。
商品化は、経営学部の石原慎士教授のゼミで地域ブランド論やマーケティングを学ぶ学生たちが主導した。2011年に飯野川地区の食堂と共同で、地元で料理に使われるサバのだしを使ったメニュー作りに着手。11年11月から地区の食堂などで提供を始めた。
家庭向け商品の開発は、より多くの消費者に食べてもらい、経済的な効果を上げようと、昨年9月から企業と協力。店舗用に改良を加え、スープと麺をパック詰めした。
価格は2食入りで400円程度の予定。主な販売先は、石巻地方を中心とする県内の小売店や関東地方の食品専門店、食堂などを想定している。 経営学部4年の綿引将太さん(21)は「県内外で試食会を開くなど販売活動を展開し、多くの人に石巻をアピールしていきたい」と話した。