石巻川開き祭り七夕飾り復活へ 震災で中止

宮城県石巻市最大のイベント「石巻川開き祭り」(7月31日、8月1日)で、市中心街を彩る七夕飾りが5年ぶりに復活する。東日本大震災の影響で、 2010年夏を最後に途絶えていた伝統ある七夕飾りを、ワークショップによる市民参加型でよみがえらせる。商店主が製作する従来の方式から転換を図った。 関係者は「かつての風景をみんなの力でつくり直したい」と参加を呼び掛けている。
企画したのは、同市のまちづくり団体「ISHINOMAKI(石巻)2・0」。震災のあった2011年から、川開き祭りに合わせてまちづくりを考える各種イベントを開催してきた。ことしは七夕飾りをメーン企画に据えた。
川開き祭りの七夕飾りは70年以上の歴史を誇る。カラフルな和紙で作った花かごや吹き流しを竹につるし、その下をみこしや鼓笛隊のパレードが通ってきた。
商店街の店主らが毎年、自主的に製作していたが、震災で多くの店が被災したため設置を見合わせていた。石巻2・0は七夕飾りの復活を通し、市民らにまちへの関心や愛着を呼び起こしたいという。新しい形で七夕飾りを未来へつなぐ試みでもある。
当日はアイトピア通り(約250メートル)の沿道に二十数本の竹を設置し、約60個の七夕飾りをつるす。飾りは誰でも参加できるワークショップで製作する。出張ワークショップを市内の学校や仮設住宅などのほか、東京でも開く予定。
石巻2・0の近江志乃さん(32)は「川開き祭りでのみこしやパレードは、一般の市民が参加する部分が少ない。震災から4年たった今だからこそ、石巻の将来に向けたまちづくりに加わってほしい」と話す。
初回のワークショップは19日午後6時~8時、同市中央2丁目のIRORI石巻。川開き祭りまで毎週金曜に開く。資金はインターネットで少額の寄付を募る「クラウドファンディング」で集める。連絡先は0225(25)4953。

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