宮城県石巻市は4日、東日本大震災の被災者が身を寄せる全ての避難所を11日に閉鎖した後、転居先が決まっていない人たちのために「待機所」を開設すると発表した。公民館など市内4、5カ所程度を想定している。自宅や民間賃貸住宅の修繕を待つ100人前後が、移り住む見通し。
石巻市の避難者数は3日現在、38カ所に計686人。市は避難所閉鎖を発表した9月17日以降、仮設住宅などをあっせんし、約580人が転居する意思を示した。学校に開設していた避難所18カ所は全て閉鎖する。
市によると、通勤や通学に便利な市中心部に近い仮設住宅の人気は高いが、旧河北町など郊外の仮設住宅は3日現在、390戸が空き室となっている。
市は平日に限り、市中心部やショッピングセンターと郊外の仮設住宅を結ぶ住民バスを1日2~3便運行しているが、避難者からは便数不足を指摘する声もある。
大街道小に避難する無職女性(41)は「子どもの通学を考えると、どうしても市中心部にいたい。アパートの修繕が済む10月末までは、待機所で暮らす」と話した。
市は「避難者の事情に配慮しながら、今後の生活再建に向けてできる限りのバックアップをしたい」としている。