石碑81基目、幼稚園に 津波到達点伝承プロジェクト

 東日本大震災の伝承と防災教育を目的に、NPO法人宮城メモリアルパーク整備産官学連携協議会と宮城大事業構想学部の三橋勇教授(64)=観光学=のゼミの学生らが11日、宮城県七ケ浜町花渕浜の和光幼稚園に石碑を設置した。
 三橋ゼミの学生らは2011年夏から、津波到達点に石碑を設置するプロジェクトを展開している。被害を受けた七ケ浜町、仙台市、石巻市、南三陸町など宮城県内4市4町に計311基を設置する計画で、和光幼稚園は81基目となる。今回は河北新報グループの社会貢献団体、かほく「108」クラブからの助成金を活用した。
 園児たちの手で除幕された石碑は白御影石製で高さ1メートル。津波の到達点を示す「波来(はらい)の地」と「絆」の文字を刻んでいる。
 除幕式で、三橋教授は幼稚園児たちに「震災を一番忘れてほしくないのは、あなたたちです」と語り、後世への伝承を呼び掛けた。宮城大4年の渡辺晴仁さん(22)は「石碑を見て、どこまで逃げれば安全か、という避難の意識を普段の生活の中で浸透させてほしい」と話した。

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