祝宴簡素化、新天皇・皇后に配慮=自動車選定、ゴーン容疑者逮捕の影響も

政府が来年の皇位継承に際し、皇太子さまの新天皇即位披露パーティー「饗宴の儀」を簡素にすることを決めたのは、今の天皇、皇后両陛下に過密なスケジュールを強いた平成の代替わりの反省を踏まえ、新天皇、皇后となる皇太子ご夫妻の負担を軽減するのが狙いだ。

20日の式典委員会に事務局が示した饗宴の儀の招待客と日程・回数は、(1)3400人、7日間7回(2)3400人、5日間5回(3)2600人、4日間4回―の3案。前回の「3400人、4日間7回」と比べると、開催を1日1回にとどめたり人数を減らしたりしたものだった。

これについて、委員会に出席した宮内庁の山本信一郎長官は「第3案がいい」と主張。続けて、平成の代替わり時は祝宴が連日開かれ、両陛下に大きな負担をかけたとし、来年10月22日、25日、29日、31日と間隔を空ける日程を示した。ほかの出席者から異論は出されず、山本氏の意見はそのまま了承された。

宮内庁は今年初めごろから「前回の日程は過酷だった。今回は余裕のある日程にしてほしい」と首相官邸に求めていた。政府関係者は負担軽減の背景について「体調がすぐれない皇太子妃雅子さまへの配慮もある」と打ち明ける。

一方、来年10月22日の祝賀パレードで使用する自動車は、前回使用して今は廃車となっている英国製ロールスロイスを改修するか、新車を購入するかなどを検討した結果、「安全・環境性能に優れたオープンカーを新たに調達」と決まった。

発注先にはトヨタ自動車日産自動車が取り沙汰されていたが、日産会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、トヨタへの流れが一気に強まっている。政府高官は20日、「日産の選択肢はなくなった」と語った。

もっとも、修理なら1800万円の費用で済むのに対し、新車購入は数千万円となる見通しで、「税金の無駄遣い」との批判も予想される。政府は東京五輪・パラリンピックなどに新車を有効利用する方針だ。

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