12日付け朝日、読売、毎日、産経、日経、5大紙社説から。
【朝日社説】
TPP交渉へ―何もかも、これからだ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
【読売社説】
TPP参加へ日本に有益な「開国」の決断
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111111-OYT1T01336.htm
【毎日社説】
社説:TPP参加表明日本が協議リードせよ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111112k0000m070146000c.html
【産経社説】
TPP交渉参加攻めの戦略で国益守れ実効性ある「司令塔」構築を
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111112/fnc11111203070002-n1.htm
【日経社説】
「攻め」のTPP交渉で日本の舞台広げよ
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E4E6E6E4E3E2E2E3E0E3E3E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
野田首相のTPP参加表明を受けてマスメディア各紙は社説にて、勝利の凱歌(がいか)を揚げています。
この勝利、確かに在京マスメディアの偏向報道により少なからず世論形成、首相の決断に影響を与えたことでしょう、いわば在京マスメディアは日本のTPP参加のA級戦犯もとい一番の貢献者でありましょう。
毎日社説は自由貿易は「大きな消費者利益」をもたらすだろうとのたまいます。
貿易自由化による消費者利益は生産者のマイナスを上回る。多くの経済学者の一致した見解だ。
そうですか、過保護に守られた業界から関税障壁や非関税障壁を取り除き国際ルールを導入し、自由競争原理を導入すれば消費者に大きな利益がもたらせるのですか。
・・・
ふう。では、まずは大新聞に範を垂れていただきましょう。
まず新聞市場を「規制撤廃」「国際ルール導入」して「開国」すべきです。日本の新聞価格は国際基準と照らし合わせても異常に高いのは周知の事実です。大新聞社はまったく消費者利益をかなえていません。
なぜか、それは新聞業界はまったく競争原理が働かない再販規制と宅配制度、記者クラブ制度といった数々の規制を背景として守られてきた恐ろしい「保護主義」を貫いている大変に遅れた業界だからです。
どのぐらい「保護主義」かは、主要産業において唯一、戦後、事実上の新規参入者がいない業界であると指摘すれば十分でしょう。国内最古の「護送船団業界」、消費者の利益ともっとも程遠い自由競争から守られてきた「ぬるま湯」産業、それが新聞業界なのであります。
ここに昭和22年にできた「独占禁止法」という古い法律があります。
第一条 この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%93%c6%90%e8%8b%d6%8e%7e%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S22HO054&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GU
要は健全な自由競争により一般消費者の利益を守るため、競争を妨げるような不当、不公正な取引を禁止するという法律であります。
しかしながら昭和20年代という歴史的背景もあり、食品缶詰、海運業、広告におけるくじ、教科書業、新聞業、この5つが当時の食糧難や物不足などの理由で例外扱い、つまり「独占禁止法」における「特殊指定」として独占的取引を認められたのであります。
これらの物品は独占的な価格決定が例外的に認められ、値引き行為等は原則禁止、事実上自由競争原理から守られることになります。
もちろんこれらは例外的措置であり、この古い時代の「特殊指定」ももはや歴史の遺物となったわけです、このグローバル化の時代に「食品缶詰」の値段を守っても意味は無いわけで、消費者利益と乖離してしまったわけです。
そこで公正取引委員会は、この当初からの特殊指定5種のうち、食品かん詰は平成18年2月1日に廃止、海運業は平成18年4月13日に廃止、広告くじは平成18年4月27日に廃止、教科書業は平成18年6月6日廃止告示,同年9月1日施行されます。
ところが新聞だけは日本新聞協会の廃止反対大キャンペーンにあいます。
日本中のマスメディアが「新聞特殊指定廃止反対」でスクラムし、公正取引委員会をして新聞だけは廃止を断念するのです。新聞業界だけは「独占禁止法」の「特殊指定」という例外商品扱いを受け、法律により自由市場から守られているのです、今もです。
よほど悔しかったのでしょう、公正取引委員会のサイトでは今も、Q/A集を公開し、いかに「新聞特殊指定」が不正、不公正で今の時代にそぐわない大問題であるか、詳しく説明しています。
公正取引委員会特殊指定見直しに対するQ/A集
http://www.jftc.go.jp/dk/tokusyusitei/qa.html
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日本で一番法律により過保護に守られている業界、それが新聞業界なのであります。法律により自由競争を阻み新規参入を拒み異様に高い価格を強制的に維持してきた大新聞。どの面下げて「自由貿易は消費者利益を大きくする」などとダブルスタンダードなことを言えるのでしょうか。
よろしいです。まず新聞業界から市場開放してください。
再販規制と宅配制度、記者クラブ制度、法律や慣習で守られているこれらの「非関税障壁」をすべて撤廃いたします。海外も含め誰もが自由に市場参入できるように国際基準を導入しましょう。
先進国で新聞が「特殊指定」で守られているのは日本ぐらいなものです。TPPで日本市場は開国されます。まさかTPP参加の旗を振っていた大新聞様、自分たちだけは例外であるというんではないでしょうね。
さあ新聞業界から「開国」していただきましょう。死ぬほど自由市場を味わって下さいませ。