神様は「アパート」住まい? 八丁堀に存在する「神社っぽくなさすぎる神社」に注目集まる

緑に囲まれた境内に厳かな雰囲気の本殿が建っている――神社と聞けば、そんなイメージを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

ただ、日本に存在する神社の数は8万社を超えると言われており、その中には風変わりな神社もある。

例えば、東京・中央区の八丁堀駅近くにある今村幸稲荷神社(いまむらさいわいいなりじんじゃ)も、その1つと言えるだろう。

古アパートのような建物のガレージ前に鳥居、外階段を上った先に……小さな本殿。思わず二度見してしまうような変わった作りのこの場所が、今村幸稲荷神社だ。

2022年7月6日、あるツイッターユーザーがこの神社の写真を投稿したところ

「神様がアパート暮らししてるぽくて感慨深い」
「なんか物語性がある 『六畳一間のお稲荷様』とかそんな日常モノのロケーションな感じ」
「願い事すると神さまが『それウチじゃなくて隣ね』とか言いながらアパートからで出てきそう」

と話題に。

一体、どうしてこんな場所に…? 気になったJタウンネット記者はまず、実際に参拝してみることにした。

実際に参拝してみた

8日、実際に神社を訪れて目の当たりにした今村幸稲荷神社からは、写真で見た以上に窮屈な印象を受けた。

とはいえ非常に小さい本殿にはちゃんと賽銭箱もあり、お稲荷様とあってキツネの置物がいくつも置かれている。

ヘルニアの症状が再発しませんように――しっかりと願いを届けたが、階段の下を通る通行人が不思議そうな顔で筆者を見ていた。そんなにお参りする人が珍しいのかな……。

こうなると、ますます気になってくるのが神社の作り。

どうして建物にくっつくような形になってしまったのか。参拝後、筆者は今村幸稲荷神社の神職に話を聞いた。

神職によると、今村幸稲荷神社が現在の形になったのは1969年。1945年3月10日の東京大空襲で元あった社殿を喪失し、仮の社殿に祀られるなどの動きがあった結果だという。なお、元の社殿の創建年代などは分からないとのことだ。

「あの建物はアパートではなくて、社務所です。本殿が2階に建てられたのは、特に大きな理由があるわけではないです。社務所を建てたときに色々考えられて、2階に本殿を設けようとなったのではないでしょうか」(今村幸稲荷神社の神職)

限られた土地で、社務所と本殿をどう配置するべきか。当時の関係者たちが考え抜いた末の形が現在の今村幸稲荷神社なのかもしれない。

ちなみに、今村幸稲荷神社では毎月第1土曜日に祭事がちゃんと行われている。形はどうであれ、歴とした神社であることは確かである。

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