福島県は31日、福島市在住の70代男性会社員と、仙台市在住で福島市に帰省中だったサービス業の20代女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内での感染確認は3、4例目。ともに海外渡航歴はなく、「市中感染」が疑われる初めてのケースとなる。
県と福島市によると、男性は23日以降に下痢や発熱の症状が出た。23、24日にマスクを着けて車で市内の職場に出勤し、25日から休んだ。3人暮らしで発症前の2週間は市内にいた。
女性は両親が住む市内の実家に電車で帰省した25日以降、倦怠(けんたい)感などを訴えた。23日に東京へ買い物に行き、26日には友人と市内を車で移動した。
男性、女性ともに31日に陽性と判明し、県内の医療機関に入院。呼吸困難などはなく、軽症という。
今回の感染は、判明済みの感染経路との接点が確認できていない。記者会見した内堀雅雄知事は「異なる段階に入った」と強調した。感染拡大を受けて一斉休校した公立小中学校を新年度に再開する県の方針に関しては「現時点で変更の予定はない」と述べた。