福島・葛尾 一部玄そばから基準超セシウム 汚染農具が原因

東京電力福島第1原発事故に伴い、昨年6月に避難指示が解除された福島県葛尾村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で9月13日に収穫された玄そばから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の4倍に当たる放射性セシウムが検出され、県は原発事故で汚染された農具の土ぼこりが付着したことが原因と発表した。

 農具は穀物を選別する際に使う箕(み)で、農家が小屋に保管していた。事故後は未使用で洗浄もしていなかったことなどから、県は外部要因で生じる「交差汚染」と判断した。本格的な営農再開に向け、県は農機具の清掃を徹底するよう生産者に呼びかける。

 セシウム検出値は430ベクレル。玄そばの表面の洗浄後は大幅に減り、殻と実を分離すると一部の殻のみで比較的高い濃度となったことも交差汚染の判断材料となった。同じ畑の6カ所で収穫した玄そばは全て基準値以下で、最高でも19・8ベクレルだった。

 基準値超えを受け、県は葛尾村や生産者に玄そばの出荷自粛を要請した。基準値を下回れば、村の復興拠点では原発事故後初めて出荷される予定だった。

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