福島交通 バス90台が水没 郡山市内70路線が運休に
2019年10月16日 13時36分
台風19号の影響で福島県郡山市では90台のバスが水没し、市内のほぼすべてにあたるおよそ70の路線が運休するなど生活への影響が広がっています。
福島県郡山市では、台風19号によって市内を流れる阿武隈川の支流が氾濫し、川のそばにある車庫にあった福島交通のおよそ160台のバスのうち90台が水没しました。
約2メートル 車体の半分まで浸水
福島交通の社員が撮影した写真には、車庫にならんだ20台以上のバスが車体の半分ほどまで水につかっている様子がうつっています。会社によりますと、当時、車庫の周囲は2メートルほど浸水していて、およそ20人の社員が12日の夜から14日にかけて建物の2階などに取り残されたということです。会社では14日から、社員が総出で車体の清掃や不具合を確認していますが、現在もほとんどが運行できない状態です。
このため、郡山市内で運行されている路線バスのほぼすべてにあたるおよそ70の路線と郡山駅と福島空港を結ぶリムジンバスの運休が続き、生活への影響が広がっています。
会社では福島市の本社などからバスを集めるなどして対応を進め、16日朝から3つの路線で運行を再開させましたが、すべての路線の再開のめどはたっていないということです。
福島交通では8年前にも台風の影響でバスが水没したため、事前に近くの高台にバス30台を避難させていたということですが、想定以上の浸水で被害が拡大したとしています。
福島交通郡山支社の瀬谷賢次支社長は「敷地内は2メートルほど浸水し、バスの屋根がかろうじて見えるほどだった。ほとんどのバスは使えなくなってしまうと思うが、一日も早く市民の足を復旧できるよう努力したい」と話していました。
バスの利用者は
JR郡山駅前のバスターミナルでは、運休を知らせる貼り紙を見てタクシーに乗り換えたり別の交通手段を探したりする人の姿が見られました。
郡山市内に住んでいるという70代の女性2人組は、「年をとっているので、ふだんから買い物にはバスを使っていました。冷蔵庫が空になってしまい、スーパーに買い物に行こうと思ったのですが、バスが止まっていると聞き、どうすることもできず、ここに座っています。さすがにもう復旧していると思いましたが、水害の影響が大きくて困ります」と話していました。
福島県南相馬市から訪れていた女性は、「本来なら高速バスで帰る予定でしたが、計画を変更していったん新幹線で仙台まで出て、そこからバスで帰ります。遠回りになるので大変です」と話していました。