東京電力福島第一原発事故を受け福島県が実施している県民健康管理調査で、警戒区域や計画的避難区域に指定されている飯舘村など3町村の一部住民の外部被曝(ひばく)線量を推計したところ、約半数が、一般人の年間被曝基準値の1ミリ・シーベルト以上だったことがわかった。
原発周辺の住民の外部被曝量の実態が明らかになるのは初めて。
県などによると、ほとんどは5ミリ・シーベルト以下で、10ミリ・シーベルト以上は約10人いた。最大は同原発の作業員の37ミリ・シーベルト。住民の最大の被曝量は14ミリ・シーベルトで、原発事故から避難する際、放射線量の高い地域を通って被曝した可能性があるという。
県民健康管理調査は原発事故時の全県民が対象。警戒区域や計画的避難区域の飯舘村、浪江町、川俣町山木屋地区の住民約2万9000人については、6月下旬から7月中旬にかけて、先行して問診票を郵送し実施。今回の結果は、そのうち、県への返信が早かった住民1730人について、3月の事故発生から4か月間の外部被曝量を推計、県立医科大と放射線医学総合研究所が分析した。県は月内に調査結果を公表する。
また、同県郡山市は8日、市内の小中学生4人の10月5日から約1か月間の積算放射線量が0・40ミリ・シーベルトを超えていたと発表した。年間に換算すると、4ミリ・シーベルト以上になるという。