福島原発のセシウム拡散状況、研究チームがシミュレーション

(CNN) 東日本大震災の直後に東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムが日本全国へどのように拡散したかについて、日米とノルウェーの研究者らがこのほど、シミュレーションなどによる解析結果をまとめた。セシウムは日本の北日本から東日本にかけての広い範囲で土壌に沈着したとみられる。
米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター客員研究員の安成哲平氏らが、セシウム137の拡散モデルに当局の測定値を組み合わせ、今年3月20日から4月19日までの沈着量を推定。14日付の米科学アカデミー紀要に発表した。同氏によれば、全国規模で推定値が算出されたのはこれが初めて。
チームによると、事故で放出された物質の大半は風で海側へ飛ばされた。また、中部地方の山脈が西日本への拡散を防ぐ「盾」の役割を果たしたという。一方、原発のある福島県東部には規制値を超えるセシウム137が沈着したとみられる。セシウム137は半減期が30年と長いことから、将来にかけて農業への重大な影響が予想される。
安成氏はCNNとのインタビューで、政府がチームの推定値を活用し、全国の県で土壌調査を実施することを望むと述べた。

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