文部科学省は12日、福島第1原発から30~60キロ沖の3カ所で7月に採取した海水を測定感度を高めて再分析した結果、当時は検出されなかった放射性物質が、事故前のレベルの数百倍の濃度で含まれていたと発表した。文科省は測定感度を従来の最大1万倍に引き上げることを決めた。
検出された放射性物質の濃度は、原発から海への排水の法定濃度限度の1%未満と低いが、沖合まで汚染が残ることを裏付ける結果で、事故の影響の大きさを改めて示した。
感度を高めて再分析した原発の東30キロの海水から放射性セシウム137を1リットル当たり0・51ベクレル検出。平成21年の測定では過去の核実験で自然界に残るとみられる同0・0019ベクレル程度が検出されており、今回はこの約270倍。ほかの2カ所でも微量を検出した。