福島第1原発事故「特定帰還区域」 大熊・双葉両町の復興計画を認定 政府、除染開始へ

東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域への住民帰還を巡り、政府は29日、福島県大熊、双葉両町が申請した「特定帰還居住区域」の復興再生計画を認定した。計画認定は帰還困難区域がある県内7市町村で初めて。政府は本年度、先行して計画地の除染を始める。

 大熊町は下野上1行政区の一部約60ヘクタール、双葉町は三字(さんあざ)(目迫、水沢、前田)と下長塚両行政区の一部の計約50ヘクタール。帰還の意向がない住民の宅地を含め、それぞれ帰還希望者の生活圏を考慮して区域を設定した。

 住宅や集会所、宅地に接する山林などの除染、建物の解体を進めた上で、道路や上下水道などのインフラを復旧させる。

 帰還困難区域では昨年、先行して特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除された。今回設定された区域は復興拠点外で、6月に成立した改正福島復興再生特別措置法で新設された。

 国は2020年代に希望者全員が帰還できるようにする方針。残る帰還困難区域は住民の意向を聞き、必要に応じて町が計画を変更し、区域を拡大する。

 土屋品子復興相は29日の閣議後記者会見で「一日も早く住民が帰還できるよう、関係省庁と連携して除染やインフラ整備などの事業に着手したい」と語った。

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