【函館】津軽三味線愛好者らでつくる「川股三弦会」代表の川股敏直さん(65)=函館市昭和=が今月中旬、愛用の三味線を抱えて沖縄を目指し、函館を車で 旅立つ。11日に東日本大震災から4年を迎える被災地の福島県にも約3年ぶりに訪れ、演奏を披露する予定で「いろんな人たちに会えることが楽しみ」と話し ている。
本業が大工の川股さんは、震災直後の2011年4月と同年冬の2度、仮設住宅の工事で福島県を訪れた。2回目の訪問時には、被災者を励まそうと三味線の演奏を披露し「みんなシーンとして聞き入ってくれた」という。
それから約3年たち、まとまった時間がとれることになったため、三味線の演奏をしながら福島県を経由して沖縄を目指す旅を計画した。宿泊できるように改造 した軽自動車に三味線と布団を積み、15日前後に函館を出発。太平洋沿岸を南下して福島県を訪れたあと沖縄へ向かう。帰りは日本海側を北上し、4月20日 ごろに函館に戻る予定だ。
特に事前に場所は決めず、気ままに立ち寄った各地で演奏し、函館市からもらった観光パンフレット400部を配るという。
出発を前に、川股三弦会の弟子8人が、「ロマンの街函館から」「津軽三味線めぐり」などの文字と三味線の絵をデザインした縦約50センチ、横約120セン チの旗をプレゼントしてくれた。川股さんは「演奏の時にこの旗を広げたい。励ましになるかどうかわからないが、福島の様子も見てきたい。沖縄で三線と共演 もしてみたいね」と出発を楽しみにしている。(押野友美)