三越伊勢丹は16日、来年の初売りで販売する福袋のお披露目会を開いた。東日本大震災で鮮明になった東北支援や家族の絆を重視する傾向を反映し、百貨店各社は、大切な人とのひとときを演出する商品内容に力を入れている。
三越日本橋本店(東京都中央区)では、人気の「体験型」のうち、旅行商品を1種類から4種類に強化した。豪華バスを2日間貸し切ったオリジナル旅行(98万円)のほか、鳴子、秋保といった東北の有名温泉への旅行を5万円で販売する。恒例の高額品では、織田信長に豊臣秀吉、徳川家康の戦国3武将をモチーフにした純金像を各180万円で販売する。
同社によると、近年は正月を自宅で過ごすケースが増えており、家族で福袋を購入する来店客が増えている。こうした傾向は、「家族の絆」が再認識された震災を経て、一層強まると予想されている。
高島屋では、祖父母が孫との絆を強める子育てグッズが入った「孫育て福袋」を5万円で提供するほか、節電志向に訴える「おうちであったかウォームスタイル福袋」(3000円)を展開する。体験型では、東京オペラシティで日本フィルハーモニー交響楽団の指揮ができる福袋(201万2000円)を計画する。
来年の干支である「辰」にちなんだ福袋では、西武百貨店池袋本店(東京都豊島区)が、サンシャイン水族館の大型水槽前で結婚記念パーティーを開ける福袋(20万1200円)を1個限定で販売。購入したカップルに「“竜”宮城」気分を味わってもらうという。震災を反映して、防災用品一式をリーズナブルな価格で集めた実用的な福袋もあり、人気を集めそうだ。