2018年度に学校創立130年を迎えた宮城県美里町の小牛田農林高は、記念の日本酒造りを始める。生徒が育てたコメを使い、地元の酒蔵と酒販店が醸造・販売で協力。来年1月の販売を目指す。
コメを作るのは同校農業科学コース作物専攻班3年の7人。同町南郷地域で「黄金澤(こがねさわ)大吟醸」などを醸造する酒蔵「川敬商店」と、同町小牛田地域の酒販店「斎林本店」が醸造と販売を請け負う。商品名は「百三十周年記念酒 稲章(とうしょう)」に決めた。
生徒らは4日、川敬商店を訪れ、関係者と第1回のミーティングを開いた。醸造にはコメと水が重要であることを学び、斎林本店の6代目斎藤高史さん(47)から「一つの作品(酒)ができるまで繊細な作業が続く」などと説明を受けた。
酒蔵での作業工程も見学。生徒たちは「コメこうじの香りが果物みたい」「微妙な温度調整など酒造りの苦労が分かった」と感想を述べ、「おいしいコメを作るように頑張りたい」と気持ちを新たにした。
生徒たちはゴールデンウイーク後、同校所有の田んぼでササニシキとひとめぼれの田植えをスタートし、11月上旬の仕込みに向かう。酒の味わいや、四合瓶を使うか一升瓶を使うかなどパッケージの詳細は、今後関係者間で決めていく。
川敬商店の川名由倫(ゆり)さん(30)は「生徒には将来、どんな酒を飲みたいかを考えてアイデアを練ってほしい。酒蔵としても、良い商品作りに応えたい」と意気込みを口にした。