私立大、短大などを運営する全国658の学校法人のうち、21法人は自力での再建が困難で、2023年度末までに破綻する恐れのあることが、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。全体の18・4%に当たる121法人は将来、破綻が懸念され、統合や再編が加速する可能性がある。
事業団は法人の19年度決算から▽債務超過かどうか▽前後3年間で教育に関する収支が2年以上赤字かどうか――などの指標を基に分析。経営改善しなければ〈1〉23年度までに破綻の恐れ(レッドゾーン)〈2〉29年度末、または30年度以降に破綻が懸念(イエローゾーン)〈3〉2年以上赤字(イエローゾーン予備軍)〈4〉正常――の法人に分類した。
その結果、「レッド」は21法人、「イエロー」は100法人で、計121法人(18・4%)が、経営が厳しい状態に陥っていることになる。「予備軍」は196法人(29・8%)で、正常は341法人(51・8%)だった。
前年度(18年度)決算に基づく調査に比べ、レッドは5法人、イエローは2法人、予備軍は17法人それぞれ増えた。4年制大学に限ると、イエローとレッドは88法人(15・8%)で、短大に限ると33法人(32・7%)に上った。
18歳人口は減少傾向が続いており、私大間の競争激化を背景に、再編・統合の動きも出ている。慶応義塾大と東京歯科大は、学校法人を合併する方向で協議を始めた。両法人の経営に問題はないが、ブランド力強化を目指している。