秋サケ水揚げ開始、今季も不漁の恐れ 宮城・南三陸

宮城県南三陸町の町地方卸売市場で26日、秋サケの水揚げが始まった。かつて主力魚種だった秋サケは近年、漁獲量が激減し、今季も不漁のスタート。市場を仲買人らのため息が包んだ。

 三陸沖で操業した漁船が市場のある志津川漁港に20隻ほど入港したが、秋サケの水揚げは12隻の22本、約69キロにとどまった。初日としては、過去10年で最低となった昨年の51キロと大差がなかった。

 仲買人の一人、山内鮮魚店常務の山内大輔さん(44)は「今年も厳しい状況になりそう。物価が高騰する中、安値でいい魚を消費者に届けられないのは歯がゆい」と表情を曇らせた。

 東日本大震災後の同市場の秋サケ水揚げ量は、2143トンを記録した2013年をピークに減少。20年は144トン、21年はわずか24トンだった。

 市場で競り人を務める県漁協志津川支所の斎藤正明さん(54)は「燃料代が上がっており、漁に出る船がさらに減ってもおかしくない。予想を裏切る量が揚がってほしい」と願った。

 県沿岸部の秋サケの刺し網漁は11月20日まで。

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