仙台市太白区秋保町の野尻地区にある老桜「秋保足軽紅重(べにがさね)」が満開となっている。2020年に新種と分かったが、昨年の花見祭りは新型コロナウイルスの影響で中止。今年は住民が協力して駐車場を広げ、感染対策も万全に行い、花見客を受け入れている。
オオヤマザクラが突然変異したとされる桜は樹齢270年。通常は花弁が5枚のところ、6、7枚重なった花が混在し、大ぶりに見える。2年前に公益財団法人「日本花の会」(東京)の在仙会員が偶然発見し、新種と認定された。命名は仙台藩の藩境を守った足軽衆の組頭屋敷跡にあることにちなんだ。
過疎化の進む野尻地区を盛り上げようと、桜に寄せる期待は大きい。テントを設け、甘酒や特産のソバを使った団子「ねっけ揚げ」などを販売している。野尻町内会の佐藤貞昭会長(72)は「ようやく皆さんを歓迎できる。世界に1本しかない自慢の桜をぜひ楽しんでほしい」と声を弾ませる。17日ごろまで見頃だという。