秋田に日本カーシェアリング協会(宮城・石巻)が支部設置 平時からリース支援

寄付された車両を被災者に貸し出す一般社団法人日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)が15日、生活困窮者やNPO法人向けのリースなどを手がける秋田支部を秋田市に設置した。支部は全国4カ所目で東北では初めて。平時から支援に当たり、災害時の貸し出しの迅速化も期待される。

 支部開設は、協会が昨年夏に秋田県を襲った豪雨の被災者支援を担った縁から実現。支援拠点としてきた秋田市の市民活動施設「遊学舎」に支部を構えた。

 現地で開所式があり、協会の吉沢武彦代表理事は「秋田は車がなければ生活自体が難しい地域。災害時に限らない取り組みで、北東北の車を通した助け合いの『要』をつくり、地域に貢献したい」と語った。

 カーリースは災害時の返却を条件とする一般向けに加え、経済的理由から車を持てない住民、移住者、NPO法人向けのメニューを用意している。現在貸し出せる車両は軽乗用車など5台。能登半島地震の被災地での支援終了後は計25台ほどの配備を見込んでいる。

 協会はこれまでも豪雨被災地での活動をきっかけに佐賀県武雄市、栃木県栃木市、静岡市で支部を設けてきた。災害時の支援体制の強化などを見据え、2025年までに全国10カ所への拠点設置を目標に掲げる。

 協会は貸し出し車両の寄付も募る。車検の残り期間が6カ月以上あり、安全走行できるといった条件がある。利用者が支部を訪問する前には事前の連絡が必要。訪問や利用相談、寄付の連絡先は、協会石巻本部0225(22)1453。

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