秋田県人口が104年ぶりに90万人割れ 7年で10万人減る

 秋田県の今月1日現在の推計人口は89万9314人(男42万5286人、女47万4028人)となり、90万人を割り込んだことが24日、県の人口流動調査で分かった。直近の数値であり、前年同月比で1万7195人減少した。90万人を割り込むのは、1920年以来104年ぶり。総務省が24日発表した今年1月1 日時点の人口動態調査から、さらに人口減少が続く傾向が鮮明になった。

 県の人口と社会・自然動態の推移はグラフの通り。1956年の134万9936人をピークに、2013年以降は毎年1万3000人超のペースで減り続けている。17年に100万人を割り込んでから7年で約10万人減少した。

 出生数から死亡数を引いた自然動態は前年同月比で1万4464人減(出生3406人、死亡1万7870人)で、県が統計を取り始めた1980年以降で最多となった。転入数から転出数を引いた社会動態は2731人減(転入1万1939人、転出1万4670人)となった。減少が続くが、2020年以降の減少幅は毎年3000人未満に抑えられている。

 県あきた未来戦略課の担当者は「若年層の転出が続き、結果的に婚姻数と出生数が減少した。人口の多い世代の高齢化に伴って死亡数が増えた」と分析する。

 県は、積極的な企業誘致によって雇用の場を確保すると同時に、首都圏からの移住促進に注力する。本年度からは、医療費助成の対象を拡大して所得制限を撤廃するなど子育て支援策を充実させ、女性や大卒者の県内定着を進めている。

 佐竹敬久知事は「統計的に分かっていたが90万人の大台割れは寂しく、(人口減少の)ペースが速いことに危機感を感じる。若い人に魅力のある県土をつくることが必要だ」と話した。

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