穀物の腐り具合から豊凶を占う「穀様し」山形で開催「来年は平年並み」

山形市の鳥海月山両所宮(りょうしょぐう)で5日、地中に埋めた穀物や野菜の腐り具合から翌年の農作物の出来を占う神事「穀様(ごくだめ)し」があった。山形県内外計5カ所の作柄を占い、「おおむね平年並み」との結果になった。

 境内にある縦、横各1・2メートル、深さ1メートルの穴の底面を山形、庄内、米沢、仙台、秋田の5カ所に区分。昨年9月に稲穂や炊いた米、インゲン、ナスなど6種類を区画ごとに埋めていた。

 占いは6種類に「水」を加えた7項目を各10点満点で評価。神社総代ら約15人が見守る中で中野俊助宮司(74)が穴に入って作物を掘り返し、手で腐り具合を確かめながら「山形 稲穂7」などと点数を発表した。

 腐敗が進むほど、点数が低くなり、作柄が悪い予想になる。合計は秋田が48点で最も高く、続いて米沢45点、他地域も40点代で平年並み。中野宮司は「安心して農作業に励んでほしい」と激励した。

 6日朝には神事があり、来年に向けて穀物や野菜を新たに地中に埋めた。

 穀様しは2020年に市無形民俗文化財に指定された。両所宮によると、食物の腐敗で作柄を占う形の作占いは全国で唯一とされ、今回は文化庁の文化財調査官が訪れ、神事の様子を記録した。

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