究極のエコカー推進 宮城県が民間とタッグ

宮城県は、「究極のエコカー」と言われる燃料電池車(FCV)の普及に向け、官民協働による協議会を4月に設立する方針を固めた。燃料の水素を供給する 「水素ステーション」の整備を地方に拡充し、水素社会のモデルづくりを東北から発信する。県はFCV関連事業を東日本大震災からの「創造的復興」の重点施 策に位置付け、早ければ2016年度にも東北初の水素ステーション導入を目指す。
協議会にはFCV「MIRAI(ミライ)」を世界で初めて一般販売したトヨタ自動車、商用水素ステーションを運営する岩谷産業、県内の運輸事業者などの参加が見込まれる。
本年度中に準備会を組織し、4月に正式発足させる。県は、10日に発表する15年度一般会計当初予算案に関連経費約150万円を計上する。
協議会では公共交通機関を含むFCV普及目標台数、水素ステーション設置エリアや必要数、コストなどを議論。16年度以降のロードマップをまとめる。ステーション整備推進の在り方や、事業者のFCV購入を行政がどう支援するかが検討課題になるとみられる。
FCVをめぐってはトヨタに加え、ホンダ、日産自動車も発売を予定するなど市場の拡大が見込まれている。一方、整備費用が1カ所につき約5億円に上るとされる水素ステーションは、建設予定を含めても今のところ約40カ所にとどまる。
国は15年度中に100カ所に拡大する目標を掲げ、整備費用の最大2分の1を補助している。しかし補助対象は東京、名古屋、大阪、福岡の4大都市圏に限定し、東北は対象外となっている。
このため県は協議会での議論も踏まえ、ステーション整備を地方にも広げるよう政府に要望したい考えだ。
宮城にはハイブリッド車「カローラ」などの生産拠点トヨタ自動車東日本(大衡村)が立地。県は、FCV関連特許の無償提供などで普及を急ぐトヨタに呼応し、東北へのさらなる自動車産業集積につなげる狙いもあるとみられる。

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