湘南地域で増え続ける空き家や宿泊施設不足の解消につなげようと、鎌倉の不動産業者が逗子市内に一戸建てのホテル「貸別荘 VACATION+ZUSHI」をオープンした。1組限定でリラックスできるのが人気で、地域活性化の可能性も広がっている。 逗子海岸から徒歩30秒の立地に、青と白のさわやかな外観。中に入ると、アンティークの調度品や、床や梁(はり)の木目が落ち着いた空間を演出する。 手掛けたのは「ユニークホームズ」(鎌倉市二階堂)。阿部真美社長(42)は人口が減少し住宅供給が過剰になる将来を見据え、空き家の活用を探っていた。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて宿泊施設不足も指摘されており、一戸建てのホテルを思いついた。 空き家だった一般住宅を借り受け、主に内装をリニューアル。寝室やキッチン、浴室を設け、家具や家電、調理器具も備えた。8月のオープン以降、3世代の家族や友人同士、カップルなどに「ゆったり過ごせた」と人気で、夏季の稼働率は80%に上った。 オープン前、不特定多数の人が出入りすることに近隣住民から不安も寄せられたが、ごみルールの徹底や防犯カメラの設置などを丁寧に説明して理解を得た。ゆくゆくは、ホテルの運営に住民が参加する仕組みを整え、「住民がまちづくりに関わり、地域活性化のきっかけになれば」と夢を描いている。 定員7人で、1人1泊6千円から(シーズンや曜日などで異なる)。予約・問い合わせは、メール(info@unique-homes.co.jp)。