空き家状態「10年以上」3割 宮城・塩釜市が実態調査 高齢化で増加

宮城県塩釜市は、市内の空き家の利活用状況など実態調査の結果をまとめた。居住していない年数は「10年以上」が3割弱、「20年以上」が約1割と、建物の老朽化への早急な対策の必要性が浮き彫りになった。

老朽化対策が急務

 調査は2020、21年度に実施した。水道使用状況や現地調査で1577戸に絞り込み、うち880戸を空き家と判定。同一所有者などを除いた830戸の所有者に調査票を郵送した。回答数は430戸で回答率は51・8%。

 未居住の年数は「2年以上」53・0%、「10年以上」27・0%、「20年以上」9・9%。空き家になった経緯で最も多いのが「死去」38・0%で、「病院・老人ホームなどへの移転」16・5%、「よその住宅を新築・購入」15・5%だった。

 管理状況(複数回答)は「戸締まりの確認」が17・1%、「外回りの清掃、草取りなど」16・4%、「郵便物・チラシなどの整理処分」13・1%と続く。頻度は「年に1~数回」が41・3%で最多。「月に1~数回」33・8%、「週に1~数回」16・0%。「ほぼ毎日」も8・9%あった。所有者が、できる範囲で空き家の管理に当たっている様子がうかがえる。

 利活用法は「売却したい」31・3%、「予定なし」22・8%、「貸家として運用したい」9・9%。管理や活用で困っていること(複数回答)は「売却相手が見つからない」21・6%、「解体費の支出が困難」18・9%となった。

 管理や活用に必要なことは「解体除却への補助」が20・5%と最多。「リフォームに対する支援」「不動産業者による仲介」がともに11・1%、「空き家の有効活用に関する情報提供」10・4%と、活用、解体ともに資金面での支援を必要としているほか、売却や賃貸を想定した専門業者の手助けや知見を求めている。

 市は空き家バンク制度に関する案内を登録希望者に実施。担当者は「高齢化や核家族化で空き家は増える。利活用法が決まらないのには複合的な要因があるが、市としての対策をまとめ流通を促進させたい」と話す。

タイトルとURLをコピーしました