県内に6ホテルを経営するかりゆし(那覇市、平良朝敬CEO=最高経営責任者)は、マンションなどの空き物件を活用して観光客向けに新たな宿泊サービスを始める。これまでのホテル客室販売とは別に、新たに地域に暮らす旅をコンセプトにした「かりゆしコンドミニアムリゾート事業(仮称)」に取り組む。2015年1月にも販売を始める。今後長期滞在や地域密着型の観光需要などを掘り起こしていく。
「かりゆしコンドミニアムリゾート事業(仮称)」は、かりゆしが県内の不動産業者や物件の所有者と販売委託契約を結び、同社のホームページや国内の主要ウェブサイト専門旅行社などを通して提供する。空き物件は外国人向けの住宅や古民家、一戸建てなどがある。
かりゆしは現在、北谷町や読谷村、宜野座村などに空き室約50室を委託管理しており、20年までに東海岸や南部、やんばるなどを中心に1千室管理を目指す。客室単価は平均1泊1~3万円(税抜き)を予定している。
同社の當山智士社長は「マンションなどの空き室を宿泊施設として活用するアパートメントツーリズムは海外では当たり前の話。観光客が行きたい地域に暮らせるし、県内の空き部屋対策にもなる」と説明した。
さらに「沖縄を訪れる観光客のリピーター率が上昇し、新たなツーリズム需要が求められる。今後、地域密着型ステイのマーケットは拡大する可能性が大きい」と強調した。(呉俐君)