立命大独走V奪回 全日本大学女子駅伝

陸上の全日本大学女子駅伝は23日、仙台市陸上競技場から仙台市役所前市民広場までの6区間、38.6キロで行われ、立命大が2時間6分29秒で3年ぶり6度目の優勝を果たした。
 3連覇を狙った仏教大は1区で14位と大きく出遅れ、2時間7分47秒で2位。3位に名城大が入り、京産大、松山大、城西大と続いた。東北福祉大は21位、福島大は23位。東日本大震災の影響で一時は開催が危ぶまれたが、例年通りに実施された。
 立命大は1区で竹中理沙が区間新をマークして先頭に立つと、アンカーの岩川真知子(仙台育英高出)まで一度も首位を譲らずに独走した。
<アンカーの岩川「感謝でいっぱい」>
 1区から飛び出し、3年ぶりの優勝を飾った立命大。アンカーで仙台育英高出身の岩川は「勝ったことよりも震災で大変な中、大会を開いてくれた関係者への感謝でいっぱいだった」と振り返った。
 大会前日、高校時代に走った多賀城市内の練習コースで調整。道路のひびや壊れた建物を目の当たりにし「地震の大きさを実感した」。レースでは「仙台の友人からメールがたくさん来て後押しになった」と言い、区間2位の走りを見せた。
 来月の東日本女子駅伝は宮城県代表で出場する。「今後もお世話になった宮城の力になっていきたい」と力強く語った。
<仏教大、1区の出遅れ響く>
 3連覇を目指した優勝候補筆頭の仏教大は1区で1年生の渋谷(秋田・花輪高出)が14位と大きく出遅れた。4年生でエース格の石橋、吉本が必死に追ったが、序盤についた1分以上の差は埋まらなかった。
 今夏の世界選手権1万メートルで日本人最高の14位に入った吉本は最も距離が長い3区(9.1キロ)で区間賞を獲得したが「流れがあちらに行ってしまった。しょうがない」と肩を落とした。
◎福祉大あと一歩21位
 仙台市で23日に行われた全日本大学女子駅伝で、東北代表で5年連続出場の東北福祉大は2時間21分10秒で、完走した24チーム中、21位だった。
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 福祉大は過去最高の19位以上を目指した。地元代表として大きな歓声を受け、1区の石山真紀子(4年)が19位につけると、4区を走り終えて22位。5区の森田麻衣(2年)が20位まで盛り返したが、目標達成はならなかった。
 東北大など東北の6大学から選ばれたオープン参加の東北学連選抜は、19位に相当する2時間19分27秒と健闘した。
<「被災者の励まし、力に」>
 東北代表の東北福祉大は前回より約4分タイムを落としたが、2年連続の21位だった。小崎監督は「東日本大震災でゼロからのスタートだった。ここまで走ってくれた選手に感謝したい」と話した。
 部員たちは5月中旬まで被災地でボランティア活動に励み、本格的な練習再開は6月。練習不足は否めず、第4中継所では3年ぶりの繰り上げスタートとなったが、全員完走を果たした。
 安田主将は「被災者の方から多くの励ましをもらい、力になった。来年もこの気持ちを忘れず、走ってほしい」と後輩たちに託した。
 ▽成績 (1)立命大(竹中、藪下、田中、池田、津田、岩川)2時間6分29秒(2)仏教大2時間7分47秒(3)名城大2時間7分58秒(4)京産大2時間11分0秒(5)松山大2時間11分15秒(6)城西大2時間11分35秒
 【区間1位記録】
 ▽1区(5.8キロ)竹中理沙(立命大)18分16秒=区間新
 ▽2区(6.8キロ)藪下明音(立命大)22分26秒
 ▽3区(9.1キロ)吉本ひかり(仏教大)30分6秒
 ▽4区(4.9キロ)池田睦美(立命大)15分20秒
 ▽5区(4.0キロ)森知奈美(仏教大)12分56秒
 ▽6区(8.0キロ)八木絵里(名城大)26分21秒

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