13日発足した第2次岸田再改造内閣には東北から3人が入った。鈴木俊一財務相(70)=衆院岩手2区=は留任。初入閣した伊藤信太郎環境相(70)=衆院宮城4区=、加藤鮎子こども政策担当相(44)=衆院山形3区=の2人は各分野で山積する課題に取り組む覚悟を語った。
伊藤信太郎環境相「地元の期待に応えたい」
伊藤さんは午前11時半過ぎ、議員会館内の事務所に入った。朝から祝電やコチョウランの鉢植えが届き、認証式で着用するモーニングも用意したが、伊藤さんは「内定の段階。最後まで何があるか分からないよ」。それから間もなくの午後1時20分、電話が鳴った。
首相秘書官から官邸への呼び込みを伝えられ、待望の初入閣に「承りました」と引き締まった表情で答えた。部屋の壁には父で防衛庁長官、衆院議長を務めた故宗一郎さんの肖像画がかけてあり、入閣の瞬間を見届けているかのようだった。
気候変動、温暖化対策といった世界規模の課題と、東京電力福島第1原発事故からの再生という重責を、同じ宮城県選出の西村明宏前環境相(衆院3区)から引き継ぐ。伊藤さんは「一生懸命仕事をしたい。地元、被災地の期待に応えたい」と力を込めた。
加藤鮎子こども政策担当相「経験生かし、データも大切に」
加藤さんは午前9時半ごろ、認証式で身に着けるロングドレスを抱えて議員事務所に到着した。衆院当選3回で、閣僚では最年少の抜てき人事。子育て中の新大臣としても注目を集め、詰めかけた約20人の記者団に驚いた表情を見せた。
加藤さんは、4歳と11歳の男児2人の母。入閣内定のニュース速報が流れた12日夕は、発熱した次男の看病でせわしなかっただけに「面食らった」と笑みを浮かべた。
加藤さんは「現在進行形で子育てする人の声は届きにくい。自分の経験を生かす一方で、客観的データに基づいて考える視点も大切にする」と意気込んだ。
官房長官、自民党幹事長などの要職を務めた父の故紘一さんへの思いを問われると、静かに「頑張りますと(報告したい)。それだけです」と語った。