“第2のニセコ”白馬に海外投資家が注目 土地価格は全国トップ上昇率もゴミ問題噴出

3連休の中日、あるスノーリゾートでは、まだ雪が降っていないにもかかわらず、季節外れのにぎわいを見せていました。これまでとは違う光景に、地元では喜び半面、「ん?」という声も聞こえてきます。

■紅葉見ごろ三連休 季節外れ夏日も

3日、鹿児島市で開催された「おはら祭」三連休、中日のこの日、全国的に天気が回復。鹿児島市では、最高気温26.9℃と、11月にもかかわらず夏日を観測しました。

(参加者)「きょうのために晴れてくれたし、もうそれは最高です」

■白馬に外国人客ら行列 「ハイジの気分」

澄みわたる青空に映える、色づく木の葉―。

北アルプスの山々は、冬の到来を前に“秋色”に染まってきています。

(鴇田明信ディレクター)「ここ長野県白馬村のリゾート施設では、紅葉が楽めるということで、観光客の方が多く訪れています」

つめかけた観光客は、雄大な自然をバックに写真を撮るにも、この大行列―。目に付くのは、やはり外国人観光客です。

(ドイツからの観光客)「今は雪がなく、スキーはできないがとても良い場所で、秋に訪れたかった。

白馬といえば、長野オリンピックの会場になるなど“ウインタースポーツの街”でした。

こうしたなか、こちらの施設では、年間を通して観光客を呼び込もうと、スキー場を活用した様々なアクティビティーを開設。去年は、約40万人の来場者を達成しました。なかでも“インスタ映えする”と人気なのは、アニメの主人公の気分が味わえる、この施設…

標高約1300mに作られたブランコに乗って見下ろす大パノラマ。北アルプスに向かって漕ぎ出す爽快感に加え、スリルも満点です。

(体験した観光客)「ハイジの気分になりたいなと思って」

「(風景を)独り占めできる感じはありますよね」

(白馬岩岳マウンテンリゾート 齋藤耕平マネージャー)「白馬全体がグリーンシーズン(4~11月)もやっているよということがどんどんどんどん国内で認知されていて、SNSで広まって、それを見た海外の方がこの場所に行きたいと」

■“2億円”別荘も… 海外向け建設ラッシュ

増えてきているインバウンド。一方、白馬の不動産に“異変”が起きていました。

(ジェイドグループ 羅 曼 代表)「海外の方には、こういう家族風呂が人気で…」

この物件の販売価格は2億円近いのですが、海外の企業が購入し、貸別荘にしていました。

(ジェイドグループ 羅 曼 代表)「(購入者は)香港、シンガポール、海外の方が半分。こういった物件を求めていらっしゃる方は、去年の2、3倍は増えています」

こちらの会社では、現在6軒の別荘を建築中ですが、すでに4軒の買い手が決まり、さらに20軒の建設を予定していると言います。

(ジェイドグループ 羅 曼 代表)「スキーリゾート地に投資をしたい。白馬の地価はまだ安いので、ただ物件が少ないので、皆さん、あったらすぐに買ってしまう」

■上昇率全国1位も… 住民は不安の声

これらの影響もあってか、7月に発表された路線価で、白馬村は上昇率32.1%と全国1位―。

土地の価格は、5年間で3.8倍にも跳ね上がっていました。価格高騰の波は、賃貸物件にも…

(さくら不動産 有井美彩さん)「1LDKのお部屋で賃料9万円というのもありますし、都内の江東区と同じような価格設定になってきている」

これまで1LDKの賃貸料は5万円前後。しかし3年ほど前から上昇し始め、今では2倍近くになっていると言います。

(さくら不動産 有井美彩さん)「新しく建てるとなると、地価の上昇と建築費の上昇というところで家賃が上がってきている。折り合いがつかずに入れなかった方は(隣接する)大町市の方で探されたりとか」

■ゴミ問題も…村長「経済とのバランス」

インバウンドに湧き、地価が高騰するなど“第二のニセコ”とも言われつつある白馬村。こうした現状に、住民には不安がよぎります。

(白馬村の住民)「昔から住んでいる人にとっては、あまりありがたい話じゃないよね。今バブルで、みんな目論見で買ってるから。バブ

ルはね、いつかはじけるから」

さらに…

(白馬村の住民)「出るのはゴミ。それは昔から住んでいる地元の住民が税金で払って処理しているけど」

インバウンドの誘致を進めてきた村長は…

(白馬村 丸山俊郎 村長)「経済として潤っていること自体は一つの成功指標ではありますので、そこを否定するものではないんですけれども、お金がどこに流れているかというところ。転売目的の売買規制みたいなことが必要かなとは思いますね」

11月3日『有働Times』より

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