新型コロナウイルスに感染したか、発症した後に病院で簡単に検査できる技術を開発したと、横浜市立大の梁明秀教授らが9日発表した。血液を採取し、上澄みの血清を検査キットに少量添加するだけで、15~30分後に結果が分かる。梁教授は「今後精度を上げ、感染が拡大している段階で使えるようにしたい」と話しており、試薬メーカー関東化学(東京都中央区)が製品化を目指す。
© 時事通信 提供 新型コロナウイルスに感染したか、抗体検出により検査する技術の概要資料を示す横浜市立大の梁明秀教授(右)と竹内一郎教授=9日午後、横浜市役所
この技術は一般的には「イムノクロマト法」と呼ばれ、ウイルスのたんぱく質(抗原)に対し、感染者の免疫システムが生み出すたんぱく質(抗体)が結合する反応を利用する。横浜市大付属病院に入院した感染患者6人で試験した結果、全員から抗体検出の陽性反応が出て、性能を確認した。
現在主流の「PCR検査」は、喉などにウイルスがあるかを発症前から調べられるが、検体を検査機関に持ち込んでから結果が出るまで6時間程度かかる。