米ウォルマート、西友売却へ 人口減少の日本市場撤退

小売り世界最大手の米ウォルマートが、傘下の国内スーパー大手、西友を売却する方針を固めたことがわかった。関係者によると、複数の投資ファンドや流通大手などに売却の打診を始めた。インターネット通販大手、米アマゾンなどとの競争激化を受けて世界的に事業の選択と集中を進めており、その一環として、人口減などで成長が見込みにくい日本市場からの撤退に傾いたとみられる。

ウォルマートは2002年、西友と包括提携。段階的に西友の株式を買い増し、08年に完全子会社化した。世界的な商品調達網を生かした低価格戦略を売りにしてきたが、業績低迷が続いていた。全国に335店舗を展開しているが、老朽化した店舗が多く、売却に向けた交渉は難航する可能性もある。米ウォルマートの広報担当者は朝日新聞の取材に対し、「うわさや推測については答えられない」とコメントした。

ウォルマートのダグ・マクミロン社長は6月の年次総会で「ポートフォリオの見直しを進めている」と述べ、日本を含む海外事業の再編を示唆。すでに英国やブラジルで事業の縮小に着手している。

一方、ネット通販の米新興企業、ジェット・ドットコムを33億ドル(約3700億円)で買収するなど、アマゾンに対抗してネット事業の強化を進めている。5月にはインドのネット通販大手、フリップカートの株式の77%を160億ドル(約1兆8千億円)で取得し、経営権を得ている。

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