米国でも「人から人」感染=在中国公館の一部職員退避へ―新型肺炎

【ワシントン時事】米疾病対策センター(CDC)は30日、深刻化している新型コロナウイルスによる肺炎について、米国内で初めて人から人への感染を確認したと発表した。米国での感染確認は、これで6人となった。

 米メディアによると、新たな感染者は中西部イリノイ州に住む60代の男性。本人に中国・武漢への渡航歴はないが、武漢から帰国した妻の感染が先に確認されていた。2人とも容体は安定しているという。

 CDCのレッドフィールド所長は声明を出し「米国内での人から人への感染は、ある程度予想されていた」と冷静な対応を呼び掛けた。今後も、人から人を含む感染者の増加は見込まれるとしながらも「米国人一般に対する差し迫ったリスクは、依然として低いと思われる」と説明した。

 また、国務省は30日、新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受け、在中国米公館の一部について、緊急対応要員を除く職員と職員家族の国外退避を認めることを明らかにした。対象となるのは北京の米大使館のほか、成都、広州、上海、瀋陽にある米公館。

 ホワイトハウスは29日、アザー厚生長官やオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)らでつくるコロナウイルス対策本部設置を発表。ロイター通信によれば、国務省は武漢の米国人を退避させるため、2月3日前後に政府チャーター便の第2便を派遣する方針だ。 

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